Covid Quarantine Birding③ カルガモとヒヨドリ

平中 直也(葛西臨海公園探鳥会 担当)

新型コロナによる自粛で、鳥見もご近所で楽しむのみ。Social distancing に気をつけながら、我が街豊洲にて。普段はあまり目を向けないような普通すぎる野鳥をシリーズで紹介していきます。

 

カルガモ(Eastern Spot-billed Duck)は、雛を連れて三井物産の池から皇居のお堀に引っ越すので有名ですね。

 

日本で見られるカモの仲間の殆どは、冬にシベリアから越冬しに日本にやってくるのですが、カルガモは一年を通じて日本で見られます。

 

写真は近所をお散歩中に見つけたやつ。周囲の人やランナーさんは、皆さんカルガモを避けてくれてました。Social distancing で!

 

皆さんもご近所の公園の池とかで普通に観察できます。初夏に雛を連れている姿は愛らしくて可愛いのですが、雑食でとーっても繁殖力の強い生き物。葛西臨海公園のオタマジャクシなんか、カエルになる前にカルガモが根こそぎ食べ尽くしてしまいます。なので、あの雛たちが全て大人に育ってしまうと生態系的に大変。大人になれるのは少数です。

それ以外の雛たちは、、、

  ヘビの朝ご飯になり

  野良猫のお昼ご飯になり

  カラスのおやつになって

自然界のバランスが保たれることになります。かわいそうだけど…

日本語名は「軽の池」(奈良)で見られたからという説があります。興味があったらグクって調べてみてください。



 

日本で見られるヒヨドリは、世界に何種類もいるヒヨドリの中で北限(ニホンザルと同じ)。最も北に生息するヒヨドリの仲間。渡りもするけど、ほぼ一年中見られます。

 

ヒヨドリ類は英語でBulbul(ブルブル)と言います。日本のヒヨドリは、耳のところに茶色の模様があるからBrown-eared Bulbul 。

 

ヒヨドリは見つけやすい。街中で最も大きな声で鳴く鳥がこれだから。「ヒーヨ!ヒーヨ!」ととにかく声がデカい。

 

もし街で見かけたら、ぜひ飛んでいる姿を見てほしい。

いわゆる「滑空型」の飛翔。ハトやカラスみたいに羽をパタパタしないで、スキーのジャンプのように、両翼を閉じてスレンダーなボディで空を滑空していく。かっこいいよ!

 

そしてヒヨドリは西ヨーロッパや南北アメリカには生息していない、且つ日本でほぼ確実に見られるため、来日する外国のバーダーにとっては「どうしても見たい鳥!」になっている。

 

最後に与謝蕪村の句

「ひよどりのこぼし去りぬる実のあかき」



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