はじめに
皆さんはeBirdを開発したコーメル大学の野鳥同定アプリMerlinを使っていますか?使っている方も、もしかしたら知らない機能があるかもしれません。まずは機能一覧を見てください。これらの機能が全て無料で使えるのです。
- 野鳥図鑑として使う
- 写真から種を判定する
- 時期や特徴から種を調べる(写真なし)
- ある種の鳴き声を確認する
- 鳴き声から種を判定する
- ライフリストの確認
全部分かってるよって方以外は、しっかりと使いこなせるようになりましょう。
なお、2024年5月にバージョンアップして、少しインターフェースが変わったみたいです(右の写真は新しい起動画面)。
設定関係は一番最後に記載しています。
デジタル図鑑として活用
トップ画面の下の左から2番目、検索から入ります。
体長などは載ってないので少し物足りないところはありますが、雌雄の違い・幼鳥の様子など、写真は豊富です。また、音声データがたくさん含まれているので、デジタル図鑑としては非常に便利です。
野鳥の声ってなかなか覚えられませんよね。図鑑やCD、ネットのサイトなど色々な情報源はありますが、Merlinはとても強力です。前のバージョンでは、目的の野鳥を検索したら、上のタブの真ん中、「音声」ボを選択します。囀りや地鳴きがたくさん出てきます。最新のバージョンでは鳥の説明の下に音声の再生ボタンが付いています。また、再生するとスペクトル成分も同時に表示されるので、特示を掴みやすくなっています。
写真から種を判定する
種名は分からないけどひとまず証拠写真を撮ってみた、なんて時に使える機能です。同様の機能はgoogleレンズなどにもあります。でもMerlinなら見た目だけでなく見た場所や季節も考慮して種を選んでくれるので、とんでもない候補が出ることは少ないです(たまに間違えます)。時期と場所は写真のExifから取得してくれるので、入力手間が省けます。
調べた結果が正しければ、是非eBirdに登録しましょう。
時期や特徴から種を調べる
残念ながら写真は撮れなかった、という場合も大丈夫。観察した場所と日付を入力し、物差鳥と比べた大きさ、特徴的な色、見かけた環境を選択すると、いくつかに絞った候補を写真付きで表示してくれます。
昔、写真は撮れなかったけど、なんかツバメっぽいなって時に、Merlinで調べてエントツツバメだってわかりました。
鳴き声で識別する
鳴き声識別の機能も提供されていますが、対応しているのは世界の10000種以上のうち1200種程度(最新版では1400弱)なので、日本の鳥はまだまだ難しいです。でも、海外(アメリカとか)に行ったらとても強力で、散歩中の素晴らしいお供になるはず。識別中の音声は自動的に録音されます。良いのが録れたら、是非eBirdに登録しましょう。データが増えれば日本でも対応種は増えていくはずです。
右のサンプルはアメリカでホテルの前の街路樹で鳴いている鳥たちの声をMerlinに聞かせた時のイメージです。こんなふうにリアルタイムで今何が鳴いてるって教えてくれるので、とても便利です(これは録音したのを再生したものです)
ライフリストの確認
Merlin単体で、今まで見た鳥のリスト(ライフリスト)を登録することができます。でも、せっかくならeBirdと連携させましょう。野鳥に関する研究に世界的に活用されます。eBirdに登録したチェックリストでMerlinのライフリストに登録済みの種にはマークが入ります。また、ライフリストを見た順や種の順でソートして表示することも可能です。
使用上の注意
アプリをダウンロードした後で、バードパックのインストール、言語の設定など多少あるのでメモしておきます。
言語の設定は、普通の人は日本語を選択しましょう。野鳥の名前を英語で覚えたい人は英語にしてもいいでしょう。ただ、日本語と学名や、英語と学名は一緒に出せるのですが、残念ながら日本語と英語を両方出すようなことはできません。これができると、海外探鳥でガイドさんと話す時にとても便利なのですがね。。。(中の人、お願い)。
野鳥の情報はバードパックというエリアごとのファイルに入っています。まずは日本をダウンロードしておけばいいのですが、海外で使うときには事前にそのエリアのバードパックをダウンロードしておきましょう。結構サイズは大きいですが、オフラインの時も使えるのでとても便利です。
なお、バージョンアップ後は、検索機能はフィルターでバードパックを選択して「Show xxxx birds」をしないとちゃんと見れない現象が発生しました。
関連情報
基本的な使い方の説明は、日本野鳥の会が公開する以下の情報が役に立ちますよ。
eBird/Merlin設定と基本操作ガイド